生命の音霊(おとだま)  尾崎元海

 お月さま・月神げっしん
 月という星は、地球人類が昔から親しみ、あるいはおそれをもって接してきた天体である。月は地球の唯一の衛星として存在していることは周知の事実だが、その働きを深く知る人は少ない。形の上では、地球という天体の調和した運行に地球霊王と共に働いている。海の満ち潮、引き潮ひとつとっても一目瞭然いちもくりょうぜんである。それと同時に、人間の心にも大きな影響を与え、また生死にも関連している。人類のこの世の生存と霊なる世界への移行にも直接かかわっているのだ。
 古来から日本人は月をで感謝するという習慣をつけてきたが、これは地球の平和達成への基本的な神事でもあった。古神道では月読尊つきよみのみことと呼ばれているが、太陽神、地球霊王、月神の完全なる調和の働きが為されることが、私が望む唯一のことである。月を愛する人は心が清くなってくる。澄みきりに澄みきった静寂の境地に至り、やがて白光びゃっこうの光明心に至る。一般には月のことを魔力を秘めていると言われることもあるが、これは人類の心を浄化させる霊的エネルギーを放っているからである。
 そうである故、月を拝する時は傲慢ごうまんな想いを捨て、素直で謙虚な心で見上げるようにしなければならない。特に女性は月の波動を大きく受けているので、善く善く心掛けてほしい。まことに月は美の象徴である。それ故に深い感謝の心を持てば、どれだけ全身全霊が透明に輝いていくだろうか。そのことを理解していけば、人間の進化は急速に進んでいくだろう。
(風韻誌2018年1月号)