生命の音霊(おとだま)  尾崎元海

 草花・花神かしん
 花のいのちは短いと言うが、その想いは人間側の勝手な考え方である。花には寿命が長いとか短いという想いはまったくなく、只々、無心に生命を素直に輝かせている。それ故、どの花も美しく、美の響きによって人間を浄め続けて下さっているのだ。
 花々の美は幼き魂に自然界のいのちの大切さを教え、高き魂の人々を大自然との合一感に導き上げる。野の花も道端に咲く素朴な花も、家々に咲く園芸の花も、高山にひっそりと咲く高貴な美しい花も、それらは全て、大神様の大いなる美といのちが化身したものである。一片の花びらにも小さな天使が働いておられる。このことを深く信じ感謝の心を深めていく人は、自己の内に内在する神の無限なる美を体感するだろう。
(風韻誌2017年9月号)