奈良集会所の紹介  武田充弘

 (二〇一七年)八月二日(水)、奈良集会所を訪れました。奈良集会は、今年で十二年とのことですが、担当の木村さんを中心に、積極的な取り組みを続けてこられ、今回初めてとなる訪問は以前から楽しみでした。集会は毎週水曜日、会場は木村さん宅ですが、月一回は生駒市コミュニティセンターなど、公共の会館を使っても行われています。
 この日は、木村さん宅でした。近鉄京都線の高の原駅で下車、駅まで木村さんが車で迎えに来て下さいました。奈良市内の高台にあって、生駒山系が見渡せる眺望の良い所です。皇后陵(古墳)や、立像のある秋篠寺が近く、少し足を伸ばせば、けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)や奈良先端科学技術大学院大学があるなど、古い歴史や文化と共に、これから新しいものを生み出していく息吹も、この地に内包しているのかもしれないと思いました。
 少し早めに木村さん宅に着くと、二匹の猫が迎えてくれ、猫と遊ぶ内に参加者が揃い、集会が始まりました。「人間と真実の生き方」の奉唱後、八月の特別行事に向けた祈りをいたしました。参加者の祈りの声は、とても調和した印象で、私も自然にその中に入り、日頃からよく気持ちを合わせておられることを感じました。
 続いて、七月十七日の西宮法話会での元海先生のご法話の抜粋を拝聴しました。拝聴の前後に、木村さんが、そのご法話の大事なポイントについて分かりやすく話されたのですが、基本的な所をぼやかさずに拝聴する上で大変良いと思い、尋ねると、集会での拝聴の度にされているとのこと。基本は一見平凡ですが、それを着実にやっていくことの大事さと、こういったことの積み重ねも集会の活気に繋がっているのだろうと思いました。
 それから座談になりました。前川さんは、幾度もの苦しい経験を世界平和の祈り一筋に越えてきたことを話されました。話の結びに、「苦しくて気持ちが揺れることがあっても、続けてたら越えられないものはない。いくら表面に色んなことが現れてきても、絶対に大丈夫だと思える信が必ず生まれてくる。今は、五井先生の教えを信じ、元海先生についてこれて、本当に良かったと思っています」と話され、これを聞き、勇気付けられる人は多いのではないでしょうか。
 山田さんは、自分自身一番変化したと思うのは、人の話に耳を傾けられるようになったことと話され、今はセラピストとして心理療法に携わっておられます。岸田さんからは、大きな悩みだったことが、いつの間にか問題にならなくなっていたり、法話会など会の行事に参加し続けている内に、自分も周りも変えて頂けた、という話がありました。金田さんは、福祉事業所で調理などの仕事をされているのですが、以前は力みやすく、それが周囲にも影響していたのが、力まず落ち着いて動けるようになり、そうすると、周りの人達も調和してきたそうです。
 参加者全員の話で共通していたのは、続けることの大切さでした。状況が辛かったり、中々結果が出なかったりすることがあっても、五井先生を信じて実践を続ける。そのためにも、法話会や錬成会の間に毎週、集会があることは大きな助けになったそうです。
 今回、奈良集会に参加し、特に二つのことが印象的でした。一つは、皆が着実に進めるよう、メンバー同士で心を合わせ、時には互いに助け合っておられること、そしてもう一つは、担当の木村さんが、基本を押さえた上で、参加メンバーの状況に合わせ、臨機応変に集会を進めておられることでした。   
 集会の活気に私も触発され、楽しい経験でした。今後、多くの方が集会に参加されていくことを信じ、奈良を後にしました。
(風韻誌2017年9月号)