早乙女(さおとめ)法話  尾崎元海

 上手な生き方
 悩みが多い人、不安が多い人は次のことを実行していって下さい。
 どんな想いが頭脳に去来しようとも、感情想念やいかなる理屈をも相手にせず、最も大事なことに気持ちを持っていくことですね。それは、〝今、自分は生きている〟という事実をしっかり確認することなんです。色んな想いが出ていても、〝そういうこととは関係なく自分は生きているじゃないか〟と、本来の大いなる事実を認めることですね。
 これは、断固として認めなければいけませんよ。まず、ここが出発点ということになります。このことを認めきっていけば、〝生きているのは人智を超えた大いなる生命であり、完全円満なる神さまのいのちが生きている〟という認識に至りますよね。これがはっきりすれば、苦悩というのは生命への謙虚さの欠如から起こったことが明らかになります。
 生きる基本姿勢がずれていれば、自我の想いのまま動いていってしまいますからね。これには色んなケースがあるんですが、〝自分なんか駄目だ。大した能力もないし将来にも希望が持てない〟というような自己否定、神性否定の傾向が強い人。あるいは〝自分は正しいんだ。間違っていない〟というかたくなな想いで、何とか現状を抜けだそうともがいているうちに訳がわからない状況におちいってしまう人ですね。
 こういうタイプの人達はいずれも、他の人達に支えられて自分は生きているということに、気付かないんです。この世に誕生してから、どれだけ多くの人達のお世話になってきたかを知るに従って、反省心、謙虚さが生まれてきます。それが深まってくれば、感謝の心が生じてきまして、やがて自我中心の生き方から離れ、苦悩の世界から抜けだしていくことになります。賢明な生き方、即ち明るく素直な心で生きれば、問題は解決していくということですね。

 お任せして生きよう
 「任せる」という言葉の意味は、重要極まりないことなんですが、実は深く認識していない人が多いですね。この任せるというのは、誰でも一日の中で、七時間前後はお任せの状態を経験してますよね。眠っていますから、誰でもわかることです。それと呼吸を考えてみて下さい。呼吸というのは、いくら長い人でも十分も息を止めることはできません。ある一定のリズムで自然に息をしていますからね。息をしなければ、人間は一瞬たりとも生きることは無理ですよね。この人間生存の根本を考えるだけでも、人間は大きな力にゆだねているということが理解できます。
 この力こそ、宗教的に言えば神の分生命わけいのち・守護霊・守護神ということになります。言葉を変えれば、大愛絶対りき・大いなる慈愛の光によって、支えられ守られているということですね。そうしますと、人間は神さまの尊い力によって存在しているわけですから、いつも神さま(守護の神霊)のみ心に戻っていることが正常なんですね。一つになって動いていくようにすれば、本来の素晴らしい力が現れてきて、一番幸せな人生を生きることができるということになります。
 その方法が守護霊・守護神さまへの感謝行であり、神さまのみ心に全託する「世界平和の祈り」であることは言うまでもありません。すべての想いを祈り心に投入して動いていくということになります。感情想念と一切の分別する想いを消えてゆく姿として、祈りの中へ入れていくわけですね。そうしていけば、神さまと人間は本来一つであることが、少しずつ実感されてくるようになってきます。

 チャンスを逃がすな
 この世を生きていると、病気をしたり、不調和な事柄に巻き込まれたり、金銭に困ったりすることがあります。あるいは仕事をしていても失敗したり、い結果が出ない場合もありますよね。又、何かあったら嫌な感情や想いが出て、しんどくなってしまうことがあります。
 そういう都合が悪そうな状況が、実は大きく飛躍する大チャンスの一瞬なんですね。各人を守っている守護の神霊は、本体の神さまの完全円満なる力を現そうとして、邪魔になっている、幽体に潜むごう想念波動を光を流し入れて浄めているんですね。表面上(肉体界)に現すことによって消し去り、きれいにして下さったということです。業が現れ出るということは、中(幽体)がきれいになったわけですから、奥にある全能なる生命力がスムーズに現れてくるということです。
 ですから肉体側は、どんな都合が悪いと思うようなことが現れても、〝よし、これで業が消えて本体の神さまが現れたんだ。ますます良きことが現れるし、良き方向に進んでいる〟と思えばいいんです。簡単な原理ですよね。どんな場合でも深刻にならずに、〝これで良くなる、良くなる〟とさっぱりと強く思っていくんです。そうしていけば、日常生活の中で運命開発の力強い時間を持つことができるんですね。こんないい生き方はありませんでしょう。これほど易しい運命改善、神性顕現の道はありませんね。コツは素直に信じて実行していくだけなんです。

 幽体を光一色いっしょく
 人間の霊体・神体は光り輝いていまして、大いなる智恵能力が満ちています。問題になるのは、潜在意識層、幽体なんですね。この波動圏が光に満ちてくれば、人生は豊かになり、本当の幸せが現れてくるということになります。
 幽体を光でいっぱいにするには、感謝の心と愛の心を充満させればいいわけです。感謝の心は光です。愛の心、世界平和の祈りは大光明です。守護の神霊に感謝し、神々様に感謝する。すべての生命体に感謝し、大自然の万物に感謝する。多くの人々の力によって生きているんですから、多くの人の生命に感謝する。目には見えない御縁ある存在に感謝する。そうしていけば幽体は光り輝いていきます。
 そして、神さまのみ心には無い不調和な想念波動は消えてゆく姿と否定して平和の祈りをする。〝ありがとうございます〟と、〝みんな幸せでありますように〟ですね。そうしていけば、神体・霊体・幽体・肉体と、天(神界)と地(肉体界)が光一元になるわけで、生きる最大の目的が達成されてゆくことになります。
(風韻誌2018年7月号)