和風法話  尾崎元海

 125 優しい性情の人は、この世を生きていく中で、自己主張の強い人に圧倒されてしまうことがあるんですね。これは困ったことですよね。では心優しき人は、どうすれば強い生き方ができるでしょうか。
 それは、どこまでも暖かい人になることなんです。温かい人とは、強靭な愛の人になるということですね。神のみ心と合一しきってしまう、即ち神我一体の人となりきるということになります。そうすれば、内もよおしに守護神さまの光、神さまの無限の光が流れ入ってきます。そういう人を目指して、日々の祈り心を強めていただきたいですね。

 126 感謝の心は、自分がより輝くと同時に、周りの人々を浄め、接する全ての存在の天命完うをうながすことになります。あの黒住宗忠くろずみむねただ神人(黒住教開祖)を見習っていくことですね。平和の祈りをする人は、常に守護の神霊に感謝し、「世界平和の祈り」を祈っています。救世の大光明、全能なる神々さま、五井先生に全てを任せきる生き方をしている人なんですね。肉体側が感謝できていないと思う時でも、守護霊・守護神さま、神々さまが万物万人に感謝して下さっているんです。
 皆さんは何事にも恐れる必要はありません。神々さまの大いなる守護のもとに、世界平和のために働いている真の勇者なんです。あなた方の意識レベルは、皆さんが思う範囲をはるかに超えた、素晴らしい状態であることを深く認識して下さい。

 128 神さまは常に先手を打っておられるんですね。「世界平和の祈り」を祈り始めたのも、守護霊さんの神計らいの智恵によって、ある時期に祈り出したというのが真実なんです。このことは、肉体の小智才覚の想いとは全く関係のない神智の発動によって為されたということですね。誠に神は偉大なりです。
 人間は本来、神の分け命ですから、神性に目覚めることは初めから決まっているんです。人間として生まれたことは、これほど幸せなことはありません。時期がくれば、いかなる人もその方向に運ばれていきます。皆さんのように、祈り一念で進んでいる人の役割は、大勢の人々の神性を目覚めさせんがための生活ということになりますね。

 129 神仏を求めるのを何か特殊な世界のことのように思っている人が、この世には何と多いことでしょう。実はこれほど平凡で当たり前のことはないんですね。神さまは大生命であり、あらゆる生命体の中に生きているいのちそのものなんです。自然の風景に心の安らぎを感じ、動物を始めとした様々な生命をいとおしく思う心は大抵の人にはありますよね。又、人の素晴らしい生き方に感動を覚えるのも、日常の中でいくつもあるはずです。これら全ては、神さまのみ心の真・善・美・愛のひびきに戻っていこうという姿なんですね。
 神さまを形と限定する宗教観に大きな勘違いがあるんですね。確かに、神さまは働きとして守護霊、守護神、神々さまとして、神霊体の姿を取ることがあります。しかしその実体は光の波であり、光明心なんです。高い・広い・清らかで美しい愛のひびきということになります。そう考えると、神さまは実に身近なものということになって、日々の何でもない生活の中に神さまを実感することができるんです。
 勿論、「世界平和の祈り」を祈っている人は、神さまの大光明波動そのものに同化しています。ですから、祈っている皆さんは、〝自己は神さまと一体なり〟という大信念で堂々と前進していけばいいんです。祈りの道にまだ足を踏み込んでおられない人であっても、その人の守護霊・守護神さま、本体の神さま(生命)は、大愛のひびきを放ち続けているんです。ですから、肉体側が祈り心になっていくのも時間の問題なんですよ。ということは、私達としては、ゆったりした心で、祈り心で包み込んであげればいいということになります。

 130 「世界平和の祈り」は、祈ろうと思った瞬間、神さまの無限大光明に包まれていると、五井先生は仰しゃっていますよね。この真理を素直に認めた人の人生は強大なものになってきます。そうなるには、頭(小智才覚の想い)ではなく、ハート即ち心情を第一にすべきですよね。ハートとは、〝五井先生が示されているんだから、そういうことなんだ〟と、鵜呑うのみにするのが最大のポイントなんです。そうしていくことが、最もやさしく安全に、神のみ心深く入っていく道なんですね。そうしていけば、神さまとは”生きるいのち”であって、我が内にあっては生命として存在し、外界には、大自然の万物の生命体として存在するということが、実感されてくるんですね。
 花一輪の中にも神さまがいます。この世界は、ありとあらゆる生命波動が様々に個性化して存在しているんです。神さまは、あらゆる所に存在し、広大無辺な宇宙の彼方かなたにまで満ち満ちている絶対力ということになります。その大いなる絶対者との融合が、”世界人類が平和でありますように”という言霊なんですね。
(風韻誌2021年5月号)