あやめ法話  尾崎元海

 80 五井先生の教えというのは魂の救いが根本ですが、肉体の方も救って下さるんですね。永遠の生命を体覚させて頂くと同時に、肉体生活も調ととのえて下さるということです。こんないいことはありませんでしょう。この世とあの世の幸せの両方を保証してもらっているわけですから、やらなきゃ損ですよね。ことさように、簡単でやさしい道ですから素直に実行していくだけなんです。
 ですが、各人それぞれの過去世からの想いのくせや宗教カルマがありますから、いっぺんに深く入ってしまうという人は少なく、ある程度のこの世の時間がいるわけですね。だけど、過去世の何百生、何千生の生まれ変わりということを考えると、この世のある一定期間で深い境地に入っていきますからね。メンバーの人達の歩みを見ていますと、つくづく世界平和の祈りは大したものだと思わずにはおれません。最初やり始めた頃は、この人は本当に大丈夫かなと思う人が少なからずいましたが、それが本当に大丈夫な人になるんですからね。
 そうなるポイントは、自分は真の宗教の道はわからない者だという気持ちで、諦めずにまずたゆまずコツコツとを心掛けていけばいいんです。それと、祈りの先輩の人に応援してもらうことと、アドバイスをしてもらうことですね。この姿勢を守っていれば大丈夫なんです。困るのは、自分は相当宗教のことはわかっていると過信している人、それと冷やかし気分でくる人です。そういう人は長く続きませんけどね。永遠の生命を得んとするんですから、まずは一生かけてじっくりやりましょうという気持ちが大切だと思います。そうしていけば誰も彼も素晴らしくなるんですね。

 81 「みたままつり」をやっていて思うことは、人間は永遠に生き通す生命だということですね。人間というのは結局、死の恐怖というのをどう超えられるかなんです。死ぬことが怖くなくなると、この世の生き方がまったく変わってしまいます。目の前の小さな幸せや不幸、損得に把われなくなってくるんです。
 すると、どういう生きるリズムが生まれるかというと、自己を生かして下さっている生命のリズムに素直に従っていくことになります。これこそが最も自分にとって楽で幸せだということが、心の底から合点がてんがいって、大らかに伸びやかに悠然たる人生を生きることになるんです。こういう生き方を多くの人がやっていけば、どれだけ世の中が明るくなるかですね。そう思い定めて生きていけば、一日一日を深く味わっていくことができるんです。

 82 自分の真の姿というのは本心・神のみ心であり、生命・光ということですね。どんな人でも、自己が大きないのち、不思議な力によって生きていることがわかっていると思うんです。世の人々は心の中でそれなりに実感できていると思うんですが、自我を突っ張るというか、虚勢を張っていく人が結構いるんですね。格好を付けても始まらないと思いますが、の想いがある程度浄まっていかないと、謙虚な気持ちが起こってこないんです。
 それでも守護霊さんが過去世の業想念を病気や不幸や各種のトラブルを経験させて、浄めて下さることによって、自分は何か不思議な力によって守られ生かされているんだと、実感していくわけですね。そういうことで、やがてどんな人も自己の実体というものが如何なるものかということに気付かされるわけですから、人間は皆大丈夫な存在なんですね。
 〝絶対大丈夫〟ということは、守護霊さんの働きがあってこそということになります。この事実を認めると、やがて全ての人が大丈夫な世界に行くんだということがわかってきて、人間世界を全肯定できるようになってきますから、ほんとにありがたいものだと思いますね。

 83 〝信念を持って生きろ〟ということが、一般にも言われますよね。一番大事なのは、自分自身を信じることなんですね。自分は神様から来ている者である、自分は神の子なんだということです。同時に、守護霊守護神様がいつも守って下さっていると想うこと。まずこの根本を心の奥底まで染み込ますんです。これが力強く生きていく上において最も大切なことであって、小さい頃からこの習慣を付けていけば、楽な人生が展開していくんですね。これからの未来は、そういうことを心の奥に入れきっていく人が、真のリーダーということになってくるでしょうね。
 信念というと、自我の想いを強めてある事柄を成就じょうじゅするために使っているのが、普通の人のあり方なんです。これはあくまで念力ということで、このやり方では心が本当の意味で安心できないんです。信念の本当の意味は、大生命(神)の無限なる大智慧大能力、大愛絶対力こそが真の自己であると素直に認めきっていくことなんですね。これこそが自己を愛しきった心のあり方ということになります。

 84 神様を信ずる力、これは信念の力ですよね。想いの力、思念の力ではありません。私達は幸いにも五井先生の大愛絶対力を信じることができます。祈りのメンバーの人にとっては当然でしょうが、これは大変なことなんですね。過去世の修行の結果、救世の大光明・大神様を信じることができる魂ということになります。
 そこで大事なことは、不安や恐怖の想いを全て、〝五井せんせい〟の称名の中に、〝五井先生ありがとうございます〟の感謝の中に投げ入れてしまえばいいわけです。この練習を日常生活の中でやっていくんですね。何気なく出てくる様々な感情想念を全部、〝ありがとうございます〟の中に入れてしまうんです。これが凡夫ができる最もやさしい全託行ということですね。
 〝神様は子どもである自分を必ず幸福にして下さるのは決まっているんだ〟という強い確信を持っていれば、ズバッと神様の光とパワーが直通してくるんです。これは実行してこそ〝なんぼ〟ですから、体覚するしかありませんよね。そういう姿勢を守護霊さんは見ていらっしゃるんです。守られながら実行していくわけですから、安心してやれますよね。

 85 人間が素晴らしい存在であるというのは、内なる生命というものが、その完全円満性・全能性を肉体を通してより大きく現したいという、絶対なる理念で動いておられるからなんですね。神様のみが生きていらっしゃるわけですから、肉体側は只々神様を想い感謝するだけなんです。
先日も法話会で話したことですが、次の祈りを常にされていかれたらと思います。
 「我が内なる五井先生ありがとうございます。我が内なる完全円満なる神様ありがとうございます。私を守って下さっている守護霊・守護神様ありがとうございます」という祈りです。最初の〝我が内なる五井先生……〟というのは、五井先生が提唱された「世界平和の祈り」が自己の奥から出ているからですね。後はよくわかると思います。この祈りの中に全てがあるわけです。完全なる悟り、天命が必ず完うされる道ですね。自己の内奥を完全に愛しきっているのですから、神様のみ心・み力が自然に現れてくるのは当然ですよね。
(風韻誌2020年5月号)