「世界平和の祈りの神髄」  尾崎元海

 立春も間近の大寒の時期ですが、阪神間はそれほど寒くはないようです。北海道や東北地方、北陸山陰の方々は雪が多く、さぞ大変なことと思います。私が住んでいる地域は雪はめったに降りませんが、六弁の花びらの美しい光景に思いをせるのも、今の時期ですね。雪の結晶というのは色々ありますが、その六角形の姿は宇宙法則のみ心をそのまま映し出しているもので、実に神秘なものです。草や木の花の多くは五弁ですが、雪という自然の働きと草木の姿も、いずれも神のみ心を現し出しているんですね。自宅の庭にも、自然界の深い趣があります。庭に溜まったもみじの落ち葉を掃除していて、ふと傍らのもみじの枝を見ると、薄紅色の新芽がたくさん出ていました。赤ちゃんの誕生ですね。ほんとに自然界の生命の力強さと大いなる英知には、只々感動するばかりです。
 そういう自然界の在り方を見るにつけ思うことは、本来、神の子である人間が自我想念のまま動いているという現実ですね。この状況は、幽体にひそむ肉体人間観から生じたごう想念波動に踊らされているわけですから、少々の意志力では方向性を変えることは不可能に近いんですね。
 ところが、そういう現状を宇宙法則の流れに一変させる方法があるんです。それは五井先生が開かれた、全ての想念を世界平和の祈りの中に入れきってゆく生き方ということになります。この「世界平和の祈り」の世界は、阿呍あうんの道なんですね。アウンとは、密教でいう宇宙生命の本源と究極きゅうきょくのことで、呼気こき吸気きゅうきという宇宙法則のリズムであり、絶対力ということになります。この世界平和の祈りの最大の特長は、〝世界人類が平和でありますように〟と祈ろうと思った瞬間、同時に神さまが働き出てこられるということですね。救世の大光明、本体の神さまが現れるということですから、これほど偉大なことはありません。人間が本来神の子であることが実証されるわけで、画期的な神性顕現の道ということになります。
 祈り始めた瞬間に、神さまに直結するんですから、後は安心して、ゆったりした心で〝消えてゆく姿で世界平和の祈り〟を実践し、守護霊守護神さまに感謝していけばいいんですね。最初に魂の救われがされ、その後は一歩一歩、頭脳に浮かんでくる感情想念を消えてゆく姿として、平和の祈りの大光明にお返しして、大光明世界から新たな光とパワーを頂いて動くということですね。この世界平和の祈りの道は、いかに実践していくかであって、うまず、たゆまず、あせらずに根気よくやっていくことが、祈りびとの大きな課題ということになります。
 現今のような混乱した世界は必ず消え去り、無くなっていきます。今年からはそのスピードが早くなってくるんですが、ここで注意する点があります。それはこの世の社会の業波動の影響を受けると同時に、自己の幽体波動圏が急速に浄められていきますから、消えてゆく姿の感情想念や分別する想いが浮かび上がってくるんですね。これに引っかからないよう、しっかりと強く守護霊さんを呼び感謝をしていくことと、何が起きてきても〝五井先生〟の称名の中にひたすら入ることが大事です。現象界の動きが目まぐるしくなってくる今日の時代は、絶対大丈夫な世界に自己の想いを入れたまま生活することが、特別に重要になってきます。気をゆるめないで生きるというのは一般にも言われますが、神性顕現の道を本格的に歩んでいくには、よほど気持ちを引き締めていかなければいけませんね。
 観点を少し変えて、自己を見つめていくことも大事なことです。それは自己を生かして下さっている生命の流れは、間断なく大生命から流れてきているということです。瞬々、新しい生命エネルギーが自己に流れ入ってくるということは、昨日の自分と今日の自分は違うということですね。このことは肉体の諸器官の動きを見れば、良く分かりますよね。体の方に関しては誰でも納得できると思いますが、心となると、頭脳に去来する想いに振り回される場合があるんですね。
 ここではっきりさせないといけないのは、生命の働きというのは、即ち本心のひびきということになります。まことの心というのは本心だということを、心の中に入れきってしまわなければなりません。一般の人には本心は掴みにくいし、実感できにくいと思いますが、「世界平和の祈り」を実践する者にとっては、実に簡単です。祈り心そのものが生命の働きであり、本心・神のみ心そのものですから、これほど分かりやすいことはありませんね。祈り心を自己の生き方としている人は、〝神、我が内にあって生きたまう〟という境地で生きているのが、真の姿ということになります。
 自然界の万物が神さまの生命の現れであることは言うまでもなく、絶対なる事実ですね。世界平和の祈り心から万物の生命に感謝していくことは、内なる神さまの光と、外界に働いておられる神さまの光が合体するわけですから、巨大な光となって世界中にひびき渡っているんですね。感謝行というのは実に深い意味があることが、祈り心の深まりによって実感されてきます。そういう真理の世界を思うにつけ、自己の周りにある全ての万物に対して、只々〝ありがとうございます〟しかないということが心底思われますね。感謝行というのは、自己の生命と宇宙万有の生命体との光の交流であって、こんな素晴らしいことはありません。世界平和の祈りの原点に立って、素直な心で祈り続け、そして感謝の心をどこまでも深めていきたいものですね。
 世界平和、地球界の調和、自己の神性顕現の道も、本来やさしいことなんです。なぜなら、人間は皆、神さまの分けられた生命ですから、始めから救われている存在なんですね。その大いなる事実を我がものとしてゆく、輝く人生を多くの人達に歩んでもらいたいと思うばかりです。平和の心、大調和の心に、どこまでも成りきって参りましょう。読者の皆さんの今年の一層の飛躍を祈念しております。
 冬日に心をほっこりさせて 仁川にて
(風韻誌2019年3月号)