編集後記「停電」 尾崎晃久

編集後記(風韻2018年11月号)  尾崎晃久

停電
 九月は台風や地震で、全国的に大規模な停電が発生しました。
 台風21号が関西を直撃した折は、我が家も二時過ぎに停電し、復旧したのは夜の十二時半でした。夜になると家が真っ暗になり、風呂は給湯器のリモコンが付かないので入れず、一階のトイレも水が流れませんでした。冷蔵庫の食品が腐ることを心配しましたが、半日で復旧したので大丈夫でした。水道も止まり、長期間停電が続いた地域の方は、大変だったと思います。
 五井先生は、ご著書『心はいつも青空』で、「人間は、停電になると電灯の有難さを感じ、水道が止まると、水道の有難さを感じ、雨が続けば、太陽や青空の有難さを感じ、干天になれば雨の有難さをしみじみ思う。そのように日頃何気無く使っているものが、さて無くなってみると、その必要度に応じて、そのものその事柄に対する感謝の想いが湧き上がる。
 今迄必要であったものが、その働きを止めた時に、そのものその事柄に対する必要度を痛感し、感謝する。それでいて日頃からそのものその事柄に対して感謝する人はまことに少ない」と書いておられます。
 私も普段、太陽や水には感謝するようにしていますが、電気に感謝することは滅多にありません。停電にでもならないと、電気への感謝は湧いてこないものです。
 五井先生は、自己を生かしてくれる全ての物や心に対する感謝の気持ちを湧き上がらせるといっても難しいから、全ての全てである神に対する感謝を、ひたむきにしてゆくことが最初で最後のことである、と仰しゃっています。
 太陽も水も電気も、あらゆる物も人も、神の現れでないものはないのですから、そう思って神様への感謝を深めていきたいと思います。