七月七日の法話会で、大変印象に残ったお話がありました。
元海先生が、「たとえば、困った子供がいるとしますね。親だったら誰もが、もう少しこうなってくれたらなぁ、あーなってくれたらなぁ、周りに心配をかけない生き方をしてくれたらいいのになぁと、思いますよね。それをちょっと考え方を変えて、〝この子の守護霊さんが、この世でこの子を生かしているということは、たとえ表面がどのような形をとっていたとしても、過去世の業因縁を消し、本体の神様のみ心を徐々に徐々に、ほんの少しずつでも現そう現そうとしてる一瞬一瞬なんだな、結局守護霊さんは必ず良き方向に運んでいって下さるんだな〟と、そう思っていくんですね。本当に困った子供がいる場合は、そのように親が覚悟してしまうことですよ」と、話されたところです。
〝困ったなぁ〟と思う人が身近にいて、その人のことが気になる場合、どうしてもその人の困った部分に気持ちがフォーカスしてしまいます。〝困った人やなぁ〟、〝もうちょっと何とかならないのかなぁ〟と。それは子供であったり、夫や嫁姑であったり、また職場での人間関係など様々なケースがあると思います。
そんな時、先生が仰しゃったようにちょっと考え方を変えてみて、その人の表面に出ている困ったところだけを見るのではなくて、その奥に働いて下さっている守護霊様の大きな愛のお働きに、心の目を向けていくことが大切なんだ、と気付かされました。
こちらが困ったなぁと思うことは、実は守護霊様がその人の過去世の業因縁を消して、少しずつ天命完うの方向へ導いて下さっている尊い一瞬なんですね。そうすると、どういう不調和が表面に出ていたとしても、その人の奥は何の不調和もなく順調に進んでいるわけで、その方の守護霊様の完全なお働きを確信して、天命完うを祈っていこうと思いました。
また先生は続けて、「昔、Jさん(コスモス会会員、故人)がね、〝あの世に行ってうんと高い世界に行って、もしあの人の守護霊さんをやりなさい、と言われても私はようしませんわ。守護霊さんは本当に大変ですね〟と言ってられましてね。肉体人間というのは何とも我がままで、自分の生きたいようにしか生きないわけでしょう。守護霊さんがどんなにその人を援助して救っても、自分がやりたいようにしかしないんですよ。それを守護霊さんが、その人の業を被って、どんなことがあっても我が子を良き方向へ良き方向へと引っ張り続けていくわけですから、大変を越えてますよね。それは三年や五年の忍耐とは違いますからね。何十年ずーっといくわけですから、『愛は忍耐なり』というのは、守護霊さんそのもののお心だと思うんですね。本当に大変だと思うんですね」と話されました。
今まで何度となく、先生から守護霊様のお話をお聞きしていたのですが、この日のお話から、今まで以上に守護霊様の深い愛を感じて、身に染みるものがありました。
肉体の人間は、守護霊、守護神様が働かなかったら生きていけないと、五井先生は仰しゃっておられます。守護霊、守護神として働いている力が90%で、肉体側の力というのは、わずか10%で、ほとんどの業を守護霊、守護神様がよけてくれて、僅かに入ってくる業の波でさえ、人間はオタオタして生きていると仰しゃっていました。
それなのに、ほとんどの人は、自分の力でやってる、私の智恵だ才能だとやってるわけで、正しく五井先生のみ教えに出合う前の私がそうで、守護霊様のご存在すら知らず、感謝もせず、自分が自分がと偉そうに生きてきました。その間もずっと、守護霊さんは何も言われず、片時も私から離れることなく守り導いて下さり、世界平和の祈りの道に繋げて下さったわけで、右を向けと言えば左を向くような我が子を、あの手この手でこの道に繋げて下さったことを思うと、感謝してもしきれるものではないと思いました。
五井先生が、このように書いて下さっているご文章があります。
「守護霊の働きの大変なことといったらないですよ。肉体の人間はバカですからね。一秒先のこともわからないんですから、向こうから見れば幼い幼い子供みたいなものです。それを守っている。そしてこの子供がいうことをきくわけじゃない。こっちへいけばいい、こうしろ、といっても聞こえるわけじゃない。普通の人はね。いうことをきかないで向こうへ行っちゃう。しょうがないな、と思ってポンと病気かなんかさせて止めておいて、業を出させておいて、正しいほうに向けてゆく、ということをしている。だから病気をしたり貧乏をしたり、いろんな不幸災難にあったりすることは、すべて正しい永遠の生命の法則にのせるために、守護霊守護神がそういう業を消すために出しているわけです。そして永遠の生命を得させる、観得させるのです。(中略)
それだから守護霊守護神にすがって〝守護霊さん守護神さん、いつも守ってくださってありがとうございます。世界人類が平和でありますように、私どもの天命が完うされますように〟っていう思いで、自分が神の子!なんて威張るんじゃないんです。謙虚な想いで〝こんなぼんくらな自分たちもまともに生かしてくださってありがたいなー、神様に守られて生きているんだな、ありがたいなー、ああ少しのご恩返しでも出来れば幸せだ〟と思う。それにはどうやったらいいか。〝世界人類が平和でありますように〟と祈ることが、自分で出来るただ一つのご恩返しだから〝世界人類が平和でありますように〟と感謝の思いで世界平和の祈りをするわけですね」と。
この世にいる間に、どれだけご恩返しができるかわかりませんが、少しでも神様にご恩返しができるよう、世界平和の祈りを心から祈って参りたいと思います。そして、五井先生が教えて下さった守護霊様の心強いご存在を、多くの人に知って頂いて、何時いかなる時も、私達の背後に守護霊様の大きな愛が働いて下さっていることを、お伝えしていきたいと思っています。
(風韻誌2019年9月号)
参考文献
『内なる自分を開く』五井昌久著 白光出版