短歌(春) 安井信子 2023.03.152024.07.07 桜散り花敷きつめし山道はうす紅くれないの裳裾もすそなりけり鶯うぐいすの声冴えわたる谷越えて檜ひのきの森を抜けて空まで晴れようと降ろうと雲は面白し雲あればこそ空は美しとっぷりと日も暮れてなお薄青き空は巷ちまたを抱く慈悲の色村里に春雨止まず電線に小雀一羽寂然じゃくねんとしてプチプチと芽吹き溢れるモリモリと伸びる広がる若葉若草 (風韻誌2018年5月号)