守護の神霊による両親の選択 尾崎晃久

守護の神霊による両親の選択(3) 尾崎晃久

 逆縁も光の縁に変わる
 しかし、過去世の因縁によっては、とてもではないが親をよく思えないこともあります。時には、親が子を、子が親を殺してしまうケースさえあります。
 村田先生は、「(母親が子供を殺すケースは)、殆どの場合、前生で逆の立場で母親の方が殺されているのです。因縁が逆になるのです」と言っておられました。(それとは別に、子供が家系の業を背負う形で犠牲になる場合もあると思います。幼い子を虐待して殺してしまう事件などは、幽界の迷った波の影響などもあるでしょう。)
 村田先生は、そのような逆縁の相談を多く受けられ、「それら逆縁の親子は、面と向う時間を少なくする為、出来るだけ家から遠くの学校に入れ、又就職も家に帰らずにさせる様にすすめます。まともに一軒の家で暮らしていますと、それは、大変です。自分の子供の顔を見ただけで、ムラムラと腹が立つのです。それは、前生で、自分の子供に殺されていますのでね。だから逆縁の場合は遠くで離れて暮らして、時間をかけて、うんとお祈りをして消していただく様にお話しをするのです」と仰しゃっておられました。
 過去世において相手に酷い目にあわされた、その時の憎しみの感情が、潜在意識に一杯蓄積されているので、常に顔を合わせて生活していたら、腹が立ってしょうがなくなり、双方にとって不幸なことになります。その場合は、離れて暮らした方がいいわけです。
 お互いにどうしても果たさなければいけない業生ごうしょうがあって、守護神様が親子にさせているわけですが、殺傷沙汰にでもなってしまうと大変ですし、なるだけ、軽い形の消えてゆく姿で済んだ方がいいに決まっております。
 逆縁で結ばれていても、どちらか一方が、平和の祈りを祈り、真理に繋がる生き方をしていますと、逆縁は浄められ消え去っていき、光で結ばれた神縁に変わってゆきます。
 当事者が祈れないなら、その周りにいる人が、その方達の天命完うをよく祈って差し上げることです。すぐには良くならず、一生かかるかもしれませんが、根気よく、祈りの光を送り続けていれば、必ずお互いの因縁は浄まり、調和した方向に導かれてゆきます。
 これまでの様々ないきさつにより、親の事をどうしてもよく思えない、感謝できない方もいることでしょう。その時は、無理に感謝しようとすると、かえって苦しくなりますから、親を愛せない想い、感謝できない想いも消えてゆく姿と思って、平和の祈りを祈ってゆけばよいかと思います。
 長年、平和の祈りを祈り続けてゆき、お互いの因縁が浄まってくると、自然に、ある時期が来れば、無理なく感謝でき、愛情が湧いてくる日が来ます。
 肉体の親に感謝できなくても、魂の親である守護霊様、守護神様には素直に感謝できると思います。肉体の親は、愛情も注いでくれますが、時には、それが執着になり、子供の自由性を縛ってしまうこともあります。また、肉体の親より子のほうが立派なこともありますが、魂の親様である守護霊様、守護神様は、完全なる愛であり、私たちよりずっと偉いのですから、いつも守ってくれている守護霊様、守護神様の愛を信じて平和の祈りを祈ってゆくことが、人生を明るく力強く生きていく一番の根本だと思います。
(風韻誌2022年1月号)